日記

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10月に入り一気に冷え込んできた。朝晩だけだったのが昼も涼しくなり、いつの間にか底冷えするようになった。

 

半袖短パンというラフな格好でベランダに出て酒を片手にタバコを飲むのが習慣だったが、最近は寒いからブランケットにくるまって外に出なければならなくなった。

 

体調も思わしくないような気がする。パブロンや葛根湯が必要になるとだるいから半身浴で体を温めてごまかそう。

 

寒さが原因かどうかは知らないが、仕事に精が出ない。こんな日もあると言いながら切り上げて帰る日が1週間近く続いた。皆残って何に取り組んでいるんだろう。

 

思えば学生の頃は冬が好きだった。もうすぐ年の瀬だと思うとやる気が出てきた。何のやる気かはわからないが、もう少しで年が終わると思うと妙な充実感があった。今は違う。1年の過ぎるのがどんどん早くなっている。妙に歳をとった感覚になる。私より歳上のにんげんなんて数えきれないほどいるのに。こんなんだけど11月で25歳になってしまう。秋に生まれたから秋は憎めない。

 

 

彼と出会ったのは23歳の時だったから、24歳の時期をまるまる一緒に過ごしたことになる。一度しか来ない24歳。何をしたかと聞かれたら、転職と引越しだと答える。彼のことはあえて出さない。私の一部ではある。欠けてはいけないけど、あくまで70歳くらいまでの人生分のちょっとの期間を少しだけ伴走しているのかなって思う。

 

ただ出会ったときから彼は彼以外ではいけなかったように思う。1人で飛び込んだワインバーで出会ったとき、DVで凝り固まっていた気持ちが急激に緩んだのは事実だし、その後桜の名所の話をされた時に、ここには1人で行くのがおすすめだよって言われて、男女の駆け引きとか何も考えなくていいんだと癒されたのも事実。後日それはおれのテクニックだったと言われた時は舌打ちしたい気分になったけど。

 

土曜の真っ昼間からベランダでビールを飲んで、色んな出来事を反芻する。思い出は冷えた体を温かく包んでくれたり、冷たく突き放したりする。

その全てを受け入れながら目の前の雨を眺める。この瞬間さえ明日にはなくなる。1人として同じ自分はいないとさえ思う。こうやって感傷的なるのは、暇だからだ。

 

 

身の程知らずかも

 

 

つくばでの取材が終わり、帰路。

 

今日も疲れたなー、どこで飲もうかな、何食べようかな、家でゆっくりしようかな、

 

とか考えてたらいつの間にかいつもの地元のバーの扉を開けてました。

 

なにする?

ハイネケン

はいよー。

 

 

俺も迎え酒しちゃおう、とマスター。

昨日そんなに飲んだんですか?と私。

飲んだね、日本酒を。とマスター。

日本酒しばりですか?

うん、そうだね。

熱燗の季節ですね。

 

酒場でのぶつ切りの会話はぶつ切りにならない。

 

酒は酒呑みの共通の言語。

 

 

 

そういえばさ

 

このあいだの土曜日いっぱい飲んでたけど大丈夫だった?とマスター。

 

家に帰ってからもしこたま飲んじゃいました。

 

酒が欲しいってなってたもんね。とマスター。

 

 

他愛もない会話に、酒に、タバコに。

 

ついつい手が伸びて、ついつい飲んじゃう。

 

昨日も、ついつい食べちゃいますねって言ったら笑われたなぁ。と思い出すのは、彼氏のご両親。

 

結婚する気なんてお互いないのに、もう会ってる両親。

 

 

酒場で隣になった女性は「我慢はしちゃいけないよ」って言ってた。11年の結婚の末離婚したそうだ。

 

「女性は我慢できますもんね」と返しながら、我慢が限界にきた時の自分がふと蘇る。

 

同棲なんて結婚するまでしない方がいいよ。

 

男は我慢できないけど、女は我慢できちゃうの。

 

お風呂一緒に入るなんて、自分の時間がないよね。って気があった。

将来の自分を見た気がした。

 

 

その後女性は帰って(明日は5時に起きるそう)

その後には大阪弁の男性。

 

「マスター、ドラクエクリアしたよ」と言いながら店に入ってきた。

 

あのボス倒した?頭が割れて違うキャラが出てくるやつ。ってマスター。

 

それ僕見てません。クリアできてなかったのかな、と男性。

 

彼も関西出身だよ、とマスター。

 

え、そうなんですか?と私。

 

灘ですよ。とマスター。

 

じゃあ近いですね。灘からのここらへんで東大ってコース?

 

はい、獣医学をしてます。

 

犬とかペット飼ってました?

 

飼ってました。

 

感情移入しないですか?

 

少し感じるけど、他所は他所、ウチはウチで。

治らない病気はないから、それならせめて余生は楽しくしたいですよね。2ヶ月生きるところを3ヶ月伸ばしても、保険もないですから。

 

 

そうだよねー。せめて楽しい方がいいよね。とマスター。

 

僕は食肉とか家畜系ですけどね。

 

 

じゃあ研究?

 

 

はい、でも僕は医学の方へ。

 

 

 

 

 

なんてことのない会話。結婚からのドラクエからの獣医学。

 

ほんの1時間の間に、色んな色を持った人が来ては酒を飲み帰る。

 

 

 

 

 

知り合いにスタンダードプードルをたくさん飼ってる人がいて。と私。

 

このへんですか?通りぞいでよく連れて散歩してる人を見ますよ。

 

 

それ、じゃあ、知り合いです、たぶん。3匹くらい連れてるの。

 

あぁ、でっかい家に住んでるんやろなと思います。と男性。

 

油断も隙もない。

 

犬も歩けば棒に当たる。

人も飲めば知り合いとつながる。

彼の言ったスタンダードプードルの飼い主は今その辺をランニングしているってことを、私は知っている。

 

関西を出て東大で獣医学を学ぶ学生が日常よく見ていた男は、飲み屋でたまたま隣になった女の男だった、ってこと東京だからこそじゃないかしらと思う。

 

地方から様々な理由を抱えて上京して、日々葛藤しながら生きて夜どこかに癒しを求めるのは、地元ではあまりないこと。

 

 

予備情報のない知り合い。地元が同じだけで酒が旨くなる現象。

 

バーの店主になりたいな、と思う。

 身の程知らず?

でも色んな人の抱える色を見て生きるのって楽しい。

 

 

 

 

文章を書くのが苦手というあなたへ

どうも。

日本酒は甘口派の山本です。

 

「文章を読むのも書くのも苦手」なんてことよく聞きます。

ちなみにですが、私は文章を書くのも読むのも、得意かどうかは微妙です。

 

ただ単に、めっちゃ好き。

だからこんなとこでも書き連ねてるんだろうけど。

 

でも、1つ言うなら私は、小学生の頃なんかは文章を書くのがあまり得意ではなくて、読書感想文やら作文やらの宿題が出たときは本当に読んで字のごとく、頭を抱えていました。

 

思いついたことをとりあえず書き連ねると、脈絡がない、起承転結も見当たらない長文が出来上がってしまうわけで、優等生を極めようとしていた私は、そんなものには納得がいかず、どうすりゃいいんだとよく考えていました。

 

小学生の頃は、それを避けるために絵日記をチョイスし、読書感想文ではなく、読書感想画を描いていました。

絵だったら、自分の考えたことを伝えたいように表現できたなんていう、割とアーティスティックなことを言いますが、本当にそうでした。

私たち「いぬ」トリオの1人のすえってやつは、絵でなんでも伝えられる(と私は思ってます)すごいやつです。

すえまではいかないけど、言葉が不得意な分、絵で何かを伝えようとしていた節がありました。

 

でも、何かを伝えたい気持ちは幼い時から結構強くて、本好きな母の影響もあり「言葉」というものは好きでした。

 

そんな私が少し変わったのは、小学校4年生のとき。

担任の先生は、私のことを嫌っていたようでしたが、まあ私はあんまり気にしてませんでした。(余談)

その担任の先生は、毎日終わりの会である1枚の紙を配るんです。

 

その名も「3行日記」

 

たった3行の小さい紙に今日の出来事を書き、感想を書き、提出をするというものでした。

厄介なのは、これを提出しないと帰れないこと。なにも思いつかない日はなかなかに苦行でした。笑

 

だけど、この「3行日記」との出会いが私にとっては転機でした。

 

3行日記には、ただ出来事を書くだけじゃなく、それに対してどう思ったかを絶対書かなくちゃいけないというルールがありました。

でもそれ以外にルールはなくて、それさえ守ればOKでした。

 

最初は絞り出して、「いいこと書かないかん〜」とか思って頑張ってたんですが、それがいいかと言えば全然そうじゃなかったんですよね。

担任の先生は私のことを嫌ってましたが、私が書いた文章に罪はなかったのでしょう。私がふと思った日常への感想を取り上げて、学級新聞を書いてくれたことがありました。そのことが嬉しくて、ずっと覚えています。

 

夏休みが明けてのプール授業がとても寒かったもので、夏は暑くてちょうどよかったのに、もう秋だなあと思いました。みたいなことを書いたんですね。

 先生の感想は、身近なものから季節を感じれたのはよかったですね。と。

 

学級新聞には、毎日2人ほど3行日記が取り上げられるのですが、まずそこに選ばれたことが光栄でした。

そして、先生の感想を見て、先生は私の文章をきちんと理解してくれていると感じました。

 

その出来事があってから、私は3行日記を書くのがとても楽しくなりました。

そのうち3行じゃ物足りなくなって、時折、3行日記の紙を3枚ほどホチキス留めで提出したこともありました。

 

1行半で出来事・残りの1行半で感想と書いていたのが、1枚半で出来事・残りの1枚半で感想というように、少しずつ文章が長くかけるようになりました。

担任の先生も、私のことは嫌いだったのでしょうが、私の文章は好いてくれていたみたいで、快くたくさんの紙をくれました。

 

ここまで来るのに半年以上ですが、この間に私は自分の文章が好きになっていきました。

 

この3行日記の習慣は私の中でずっと続いていて、今も日記を書いています。

今となってはB5ノート1ページにびっしり書くようになりました。自分でもちょっとこわい。笑

 

さて、文章を書くのが苦手なあなたへ、なんて言いましたが、文章を書くことに近道はないと思います。

でも、言葉を好きになって欲しいから、やってみてほしいことがあります。

 

それが、3行日記。ちなみに2行でも構いません。今日はなにがあって、それに対してどう思ったかの感想を書くだけ。

 

「今日は、洗濯物干したら、柔軟剤のいい匂いがした。」

 

これで十分なんです。

これを毎日やってみてほしい。

きっともっと長い文章を書いてみたくなる日が来るから。

 

ではでは。山本でした。

夏っぽい足元でおわかれ。

もう秋だなあ〜。

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