悲しいけど綺麗な時間
この間、人が目の前で痛々しく心から涙を流してるのを初めて見ました。
その人と10年以上毎日、本当に四六時中一緒にいた愛犬が天国にいってしまい火葬する前日。
「その人」は私の大切な人でしたが
台の上でお花に囲まれてるわんちゃんを見て何を言うでもなく泣き始めて、、
人はこうして泣くんだと
溢れた思いが涙なんだと
大切に想い傍に寄り添っていた支えがなくなったとき
人はこうして悼むんだと、
一瞬で空間が埋め尽くされるほどの悲しさでした。
でも痛々しくも綺麗でした。
心の底から何かを想う人は男女関係なく綺麗。
何かを失ったときの絶望はものすごく複雑で、他人に触れられるような代物じゃないみたい。
その人の背中をなでながら
黙って横に居たんですが
話すと楽になるって言ってくれたので
それなら話そう。と
美味しいものが食べたいなら
一緒にいこう。
そう言ったものの、
そんな気持ちの全部を伝えられる言葉なんかどこにもありませんでした。
人の気持ちや本心って、きっと
波の音とか風の柔らかさみたいに
誰かにそっくりそのまま伝えられない自然な存在。
心の声っていうのは「自然と」発生するもの。
とめどなく湧いてくるから止められないもの。
人の痛みやそこから溢れた言葉を受け止めてあげたいと思うのは自然な流れですが、
きっと波の音とか音楽みたいに、ただそこに生まれた事柄を目の当たりにして感じるだけで十分ですね
音も光も涙も、それを目の当たりにする人間がいるから存在するんだと思う。
それを分かちあえる相手がいるならそれは救い。
誰かの本心に出会った時は
自分といたからよかったと思ってほしい。
なんの解決策を提示するでもなく
ただどうでもいいことで笑えれば十分だと思います。